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巻機山、越後の山 2023年10月7日~9日


 明るいナメ滝で有名な米子沢と、新潟・群馬の分水嶺を訪ねるべく、雨予報の週末の夜にAさんの車に乗り込んだ4名が巻機山登山口へ向かう。 高速道路の県境を越える頃から雨脚が強くなってきましたが、登山口駐車場では車中泊とテントを設営して4時間ほど仮眠しました。    washi)記

越後の山
1.ヤマウルシ 10/7 雨が止む気配が無いのでゆっくり起床。紅葉時期ですが駐車車両は10台程度。びしょ濡れのテントをまるめて車に置き、米子沢に入渓して行く別の4人パーティを横目に、我々は登山道から巻機山を往復する事にします。 まだ下部のブナは紅葉していませんが、ヤマウルシは真っ先に色付いていました。
2.米子沢 登山道の五合目から望遠で見た米子沢の岩は雨で滑りそう。登るにつれて気温が下がって寒くなってきました。やはり沢登りをやめて良かったね!と顔を見合わせ苦笑い。 コースタイム標準より30分程早く避難小屋に3時間ちょっとで到着。小屋は内部にバイオトイレが設置してある12畳位の2階建てで奇麗に管理されています。
3.巻機山 雨で冷えた登山者が15人程入れ替わり立ち替わりして休んで行く中、我々も荷物を小屋に置いて山頂を往復します。寒暖計を見たら外は2度で小屋内は6度でした。 この標識のある個所から少し西の1967mピークまで往復。雨が雪交じりになり、たおやかな池塘草原も視界がきかず残念でした。ついこの間まで夏日が続いていたので下りの笹やぶ泥ドロ地帯も思っていたより酷く無い感じでした。
4.サクリ川登山センタ 下山すると一時、雨が上がって陽が差した。六日町のショッピングセンターで晩ご飯を買ってから三国川(サクリガワ)ダム上流の十字峡登山センターへ移動。1階は営業してませんが12畳程の2階が避難小屋として開放されていて、外は小雨が降り出した中でも快適に泊まれました。他に1パーティが泊っていて、翌日の中ノ岳避難小屋でも同宿となります。
5.丹後山へ 10/8 早朝の登山口には10台位が駐車していて、車中泊の人も多かったようです。登山口から標高差1300mの急坂を延々と登り詰めると丹後山へ続く笹原の稜線に出ました。天気も回復して米どころ六日町平野が間近に見渡せます。
6.兎岳へ 新潟と群馬の県境稜線を大水上山までたどり、越後三山にあげられている中ノ岳を目指します。風が吹き通るなだらかな笹原は背の高さまでの箇所もありますが、刈払いがされている気持ちの良い登山道を感謝して歩きます。
7.利根川水源 この利根川水源の碑1834mがある北東に大水上山1831mの標識もあります。群馬県みなかみ町に1967年完成した八木沢ダムが湛える広大な奥利根湖の水は東京都の重要な資源となっています。
8.平ヶ岳 望遠で見た平ヶ岳2140mです。見えてる範囲は新潟県で、向こう側は群馬県になります。
9.燧ケ岳 大水上山を越えて兎岳1925mまで登ると、平ヶ岳の肩から燧ケ岳2356mの荒々しい姿が遠くに臨めました。
10.小兎南面の鞍部 兎岳を越え北西に下ってから小兎岳への上りに取り掛かる鞍部に池塘がありました。
11.只見川水源部 縦走路から遠く福島県側の北東方向にある奥只見湖の銀山平上流域、北ノ又川の源流部には暑かった夏も解けなかった残雪が見えました。
12.中ノ岳山頂 中ノ岳2085m山頂から越後駒ケ岳2002mを望む。今夜泊る中ノ岳避難小屋が頼もしく建っています。既に小屋には日向山から登って来た昨晩のパーティが先着していました。 (明日10/9当初は空荷で駒ケ岳を往復して戻り、池ノ段分岐から日向山を経由して登山センターまで降る予定でしたが雨なのであきらめました)
13.八海山 避難小屋の先に八海山と駒ケ岳への分岐があります。よく見ると、千本檜小屋が見えました。 今晩の小屋には、小出方面から駒ケ岳を越えて来た人や、ガイドを伴い八海山を越えて来た女性パーティなどで15人程が泊まりました。 10/9は夜半からの雨がひどくなり、雨具も靴もずぶ濡れになりながら急坂を日向山経由で下山しました。今回は天候不良の中にもめげずに参加された皆さんお疲れ様でした。

 

【行程概要】

10/6(金) 高尾山IC 23時⇒

10/7(土) 塩沢石打IC 3時⇒巻機山登山口駐車場 仮眠、出発7:00→避難小屋10:20~10:50→1967mピーク11:20→避難小屋11:50~12:00→登山口駐車場14:30⇒三国川十字峡登山センター16:15

10/8(日) 泊地5:20→本谷山登山口手前分岐6:10→丹後山避難小屋10:20→大水上山11:15→兎岳12:00~12:15→池ノ段分岐15:00→中ノ岳15:25→中ノ岳避難小屋15:30

10/9(祝) 泊地6:45→池ノ段分岐6:55→日向山8:20→十字峡登山センター駐車場10:30~11:10⇒三国温泉萌気園入浴昼食11:30~12:30⇒六日町IC12:50⇒高尾山IC 17時

【概算費用】

往復460km×35円=16100円,高速3690+4360=8050円,洗車代ほか1850円,合計26000円 /4人=6500円

2023年7月21日~23日 西穂高岳~奥穂高岳、念願のジャンダルム登頂!


登山を趣味にし「ジャンダルム」と聞いて、その響きのカッコ良さから興味を持ち、それがただならぬ場所であることを知り、挑戦したいと思うようになり、最初の計画をしてから、かれこれ5年…悪天候やらコロナやら山荘が取れなかったり…フラれ続けましたが、遂にその時がやって来ました!

逆層スラブ、馬の背など、SNSで見るより難しく感じなかったのは、トレーニングの成果でしょうか…思ったより楽しみながら登ることが出来ました。一緒に登ってくれた山仲間に感謝です!ますます山が好きになりました !OHKAMA(記)


ジャンダルム登頂!

       ジャンダルム山頂にて


 

2023年7月15日~16日 西沢渓谷~甲武信ヶ岳~大弛峠テント縦走(個人山行)

夏山に向けたトレーニングを兼ねて甲武信ヶ岳へ。塩山駅発の西沢渓谷行きのバスは臨時便が2便出るほどの賑わい。全員座れるよう配慮してもらえるのはありがたい。

(1日目)徳ちゃん新道の登りは初めて。ひたすらの登りは、丹沢のバカ尾根ほど長くはないがテン泊装備(酒が多かった?17キロ…)が堪えたのか、思うようにペースが上がらない…標準タイムで登るのがやっとだった。天候が予報通りの曇りで涼しかったのは幸い。5時間ほどで甲武信小屋に到着。

(2日目)甲武信ヶ岳~大弛峠は初めてのルート。予報通りの晴天…国師ヶ岳を従えた富士山は美しかった。国師ヶ岳に向かう縦走路は東梓あたりまでは、樹林帯をアップダウンしながら下るが、その先からは徐々に高度を上げていく。樹林帯を抜ける西風が心地よかった。大弛峠発15時のバスにはだいぶ余裕があったため、北奥千丈岳で風に吹かれて小一時間昼寝をした。こんなのんびりした登山は久しぶり。大弛峠小屋へ降りたが、バスの時刻まであと1時間あまり…小屋先のベンチで山行の余韻を味わいながら、残った赤ワインを飲みつつバスを待った。OHKAMA(記)

甲武信ヶ岳より富士山を望む


北奥千丈岳より金峰山を望む


庚申山から皇海山 2023.6.3~4

前夜6月2日、台風2号が南岸を通過中の風雨のなか時折、突風にハンドルをとられながらもレンタカーでW,O,Tの3名が渡良瀬川上流域にある足尾の庚申山へ行って来ました。   washi) 記

  [P] 8:20→一ノ鳥居 9:30→11:00庚申山荘11:20→お山巡りの分岐12:10  →13:30ツル岩付近13:45→山荘14:35→天下見晴15:05→山荘15:35 / 4(日) 山荘 3:30→庚申山 4:30→鋸山 6:30→皇海山 7:50→鋸山 9:20  →六林班峠10:25→12:30山荘12:50→15:00駐車場15:20⇒水沼駅温泉センタ  (入浴600円2023年7月末~休業中)18:30⇒本庄児玉IC⇒高尾山IC20:30 【費用概算】

・レンタカー 12,300円(片道150km,4時間)・高速料金 あきる野~本庄児玉(ETC深夜)1,640円 本庄児玉~高尾山(ETC休日)2,430円・ガソリン代 5,000円 交通費計21,370円÷3人≒7,200円 ・庚申山荘素泊まり 2,080円

皇海山の地図
 皇海山2144mは日光足尾山地にあり、約160万年前の成層火山が侵食されアオモリトドマツ等の樹林に覆われた山で、東西に500m程と長い山頂の形が目立ち、髷を結う笄の形からコウガイ山と呼ばれていたものが現在のスカイ山となった様です。およそ20km北西にある上州武尊山2158mも120万年前の火山で、近くの20km南西にある赤城山は50万年前の火山なので、その地形の古さがうかがえます。特に庚申山の東面の崖から鋸十一座と呼ばれる西側へ続く約3kmの尾根は侵食険しく、道程は鎖や梯子で整備されています。

庚申山は外来信仰行事の干支の一つ「かのえさる」に関した民間信仰と修験道に選ばれた険しいお山で猿田彦神社が祀られています。

庚申山,裏見の滝 未明に銀山平に着いた頃は雨もやみ、4時間ほど仮眠のち出発。前夜の大雨とうって変わって青空が木陰から覗く渓谷沿いの林道を一ノ鳥居まで。そこから奇岩や石碑が導く山道を猿田彦神社跡を経て庚申山荘に到着。寝床を確保し空荷でお山巡りに出る。この裏見の滝では手前を左上に登ると庚申山へ行けます。
庚申山,中倉山へ続く稜線 奇岩一ノ門を這い上がった分岐から「お山巡り」の道に入り東側の岩壁に沿って庚申山荘まで周回しました。この画像は草原が清々しい中倉山へと続く道のない尾根です。
庚申山,冷涼湿潤な岸壁 東南面に開けた崖には上部の樹林から所々水の流れがあり、サクラソウ科の雪割草(地域呼名:コウシンコザクラ)が濃いピンクの花を咲かせ群生しています。特に暗く垂直な崖に草丈3cm程のムシトリスミレ族コウシンソウがひっそりと根着いていました。
庚申草 地面に密接した小さな葉の表面から出る粘液で動けなくなった虫の養分を吸収する食中植物です。花茎が二股に分かれる珍しい特徴があります。
庚申山荘ベンチで夕食 お山巡りから戻りさらに「天下の見晴」まで行ってみましたが管理人さんが言っていた筑波山までは見えませんでした。今朝到着して外のバイオトイレを修理していた職員さんが下山して行き、今夜の宿泊者は30人位。先週末は80人越えでコンクリ土間に寝た人もいたそうです。公共の小屋ですが庇裏の剥がれやテラス、階段の老朽崩れが危険な状態でした。それでも布団に寝れるのは助かります。
朝焼けの皇海山 翌早朝3時半に小屋を出発。昨日偵察下見したのに暗いためか裏見ノ滝で少し迷いました。要所にある赤と黄色の反射塗料金属プレート道標がヘッドランプに光って目印になり助かります。台風崩れの強風のなか庚申山直下の展望台にて朝焼けの皇海山や日の出方向の男体山が望めました。
皇海山へ駒掛山の鞍部 駒掛山手前の鞍部は笹原に岳樺が美しく立ち並び、ヤシオツツジが朝陽に照らされて風に揺れていました。
皇海山へ薬師岳 鋸十一座の尾根を進みます。薬師岳の標識を過ぎて見えて来た剣ノ山へ続く岩壁です。岩壁のブッシュ寄りにロープが設置されていて助かります。上がるとすぐ垂直壁に付けられたアルミ梯子を降ります。
皇海山シャクナゲ 見事なシャクナゲロードを進むと六林班峠への分岐がある鋸山で大休止。ここまで4パーティ程に先行を譲っています。
皇海山 さらに3パーティ程抜かれて皇海山山頂に7:50到着。山頂は樹林に隠れて展望がありません。西の峰に寄る気も無く、すぐ戻ります。
皇海山へ鋸尾根 皇海山へは沼田市の栗原川林道から不動沢のコルへ上がるルートが最短でしたが2019年10月の台風19号による崩壊で通行禁止になっています。そのコル付近から鋸尾根を見ると、鋸山へ戻る斜面が恐ろしく急に見えます。
皇海山の鋸から北西面 鋸山に戻ると、皇海山の西の肩越しに上州武尊山が見えました。
皇海山鋸から武尊山 武尊山へズームイン。2022年3月26日に川場スキー場から雪山研修で登った時は吹雪がひどくて先に進めず、滑落停止訓練だけでも精いっぱいで撤退した事が思い出されます。
皇海山から六林班峠へ この鋸山の分岐から南へ下る六林班峠の遥か向こうに赤城山や富士山まで見えました。
皇海山下山は女山の笹薮 峠の手前の女山付近までは背の高さを越える笹薮を掻き分けて進みます。樺の高い位置に付けられた道標板は本当にありがたいです。
皇海山下山は六林班峠の樺平 峠からは、鋸尾根の下部南面を巻くルートを東へ庚申山荘を目指して戻ります。何度もせせらぎや沢を渡る長い道程ですが、シロヤシオツツジや樺平の新緑がハルゼミの響きと共に疲れた身体に沁みていきます。

 / 3(土) 本庄児玉IC⇒銀山平国民宿舎かじか荘登山者用駐車場 3:30(仮眠)

【メモ】

足尾銅山は江戸幕府直轄鉱山として栄えたものが明治38年古河鉱業の経営となり1973年の閉山まで日本の発展を支えてきました。小滝坑のあった銀山平付近には鉱山住宅跡が山林の間にひっそりとひな段の様に残っていました。一方、日本で最初の公害と云われる足尾鉱害事件は、製錬所から出る亜硫酸ガスによる煙害で松木川沿いの山林枯れや坑道を支えるのに使用する坑木の乱伐による土砂流出で渡良瀬川に有害物質が流れ込む事で流域農作物や住民に被害が及び深刻な社会問題となりました。渡良瀬遊水地等の沈殿池や治水、山林復旧事業は約100年前から現在も続けられています。ここ備前楯山地下深くでの熱水鉱脈は、渓流の岩の下にかくれた鰍のように見えた事から「かじか」と呼ばれていたそうです。
 【行程概要】

6/ 2(金) あきる野IC 24:30⇒

2023.06.03~04 庚申山~皇海山


梅雨入り前の台風一過に期待し百名山である皇海山とこの時期にしか見ることが出来ないコウシンソウを探しに庚申山へ行ってきた。1日目は庚申山荘に荷物をデポして、山行目的の1つコウシンソウを探しにお山巡りへ。黒部の下ノ廊下を彷彿とさせる断崖絶壁の登山道はスリル満点。奇岩を楽しみながら、ようやく登山道を外れたところでコウシンソウに出会えた。2日目も不要な荷物を山荘にデポし早朝3時に小屋を出発。クラシカルルートで皇海山へ。垂直の鎖場、ハシゴの連続で緊張しつつ、シャクナゲ、シロヤシオの鮮やかさに感激しながら、鋸山につくと360度パノラマ。谷川連峰、上州武尊山などの山々が見渡せた。
復路は六林班峠を経由する高さ1.8mの笹薮をかき分ける、斜面をトラバースするルート。途中何回も沢を横切り庚申山荘に到着。デポした荷物を回収して下山。充実感満載の登山となった。              OHKAMA記 



朝焼けの皇海山


皇海山集合写真