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庚申山から皇海山 2023.6.3~4

前夜6月2日、台風2号が南岸を通過中の風雨のなか時折、突風にハンドルをとられながらもレンタカーでW,O,Tの3名が渡良瀬川上流域にある足尾の庚申山へ行って来ました。   washi) 記

皇海山の地図
 皇海山2144mは日光足尾山地にあり、約160万年前の成層火山が侵食されアオモリトドマツ等の樹林に覆われた山で、東西に500m程と長い山頂の形が目立ち、髷を結う笄の形からコウガイ山と呼ばれていたものが現在のスカイ山となった様です。およそ20km北西にある上州武尊山2158mも120万年前の火山で、近くの20km南西にある赤城山は50万年前の火山なので、その地形の古さがうかがえます。特に庚申山の東面の崖から鋸十一座と呼ばれる西側へ続く約3kmの尾根は侵食険しく、道程は鎖や梯子で整備されています。
庚申山は外来信仰行事の干支の一つ「かのえさる」に関した民間信仰と修験道に選ばれた険しいお山で猿田彦神社が祀られています。
庚申山,裏見の滝 未明に銀山平に着いた頃は雨もやみ、4時間ほど仮眠のち出発。前夜の大雨とうって変わって青空が木陰から覗く渓谷沿いの林道を一ノ鳥居まで。そこから奇岩や石碑が導く山道を猿田彦神社跡を経て庚申山荘に到着。寝床を確保し空荷でお山巡りに出る。この裏見の滝では手前を左上に登ると庚申山へ行けます。
庚申山,中倉山へ続く稜線 奇岩一ノ門を這い上がった分岐から「お山巡り」の道に入り東側の岩壁に沿って庚申山荘まで周回しました。この画像は草原が清々しい中倉山へと続く道のない尾根です。
庚申山,冷涼湿潤な岸壁 東南面に開けた崖には上部の樹林から所々水の流れがあり、サクラソウ科の雪割草(地域呼名:コウシンコザクラ)が濃いピンクの花を咲かせ群生しています。特に暗く垂直な崖に草丈3cm程のムシトリスミレ族コウシンソウがひっそりと根着いていました。
庚申草 地面に密接した小さな葉の表面から出る粘液で動けなくなった虫の養分を吸収する食中植物です。花茎が二股に分かれる珍しい特徴があります。
庚申山荘ベンチで夕食 お山巡りから戻りさらに「天下の見晴」まで行ってみましたが管理人さんが言っていた筑波山までは見えませんでした。今朝到着して外のバイオトイレを修理していた職員さんが下山して行き、今夜の宿泊者は30人位。先週末は80人越えでコンクリ土間に寝た人もいたそうです。公共の小屋ですが庇裏の剥がれやテラス、階段の老朽崩れが危険な状態でした。それでも布団に寝れるのは助かります。
朝焼けの皇海山 翌早朝3時半に小屋を出発。昨日偵察下見したのに暗いためか裏見ノ滝で少し迷いました。要所にある赤と黄色の反射塗料金属プレート道標がヘッドランプに光って目印になり助かります。台風崩れの強風のなか庚申山直下の展望台にて朝焼けの皇海山や日の出方向の男体山が望めました。
皇海山へ駒掛山の鞍部 駒掛山手前の鞍部は笹原に岳樺が美しく立ち並び、ヤシオツツジが朝陽に照らされて風に揺れていました。
皇海山へ薬師岳 鋸十一座の尾根を進みます。薬師岳の標識を過ぎて見えて来た剣ノ山へ続く岩壁です。岩壁のブッシュ寄りにロープが設置されていて助かります。上がるとすぐ垂直壁に付けられたアルミ梯子を降ります。
皇海山シャクナゲ 見事なシャクナゲロードを進むと六林班峠への分岐がある鋸山で大休止。ここまで4パーティ程に先行を譲っています。
皇海山 さらに3パーティ程抜かれて皇海山山頂に7:50到着。山頂は樹林に隠れて展望がありません。西の峰に寄る気も無く、すぐ戻ります。
皇海山へ鋸尾根 皇海山へは沼田市の栗原川林道から不動沢のコルへ上がるルートが最短でしたが2019年10月の台風19号による崩壊で通行禁止になっています。そのコル付近から鋸尾根を見ると、鋸山へ戻る斜面が恐ろしく急に見えます。
皇海山の鋸から北西面 鋸山に戻ると、皇海山の西の肩越しに上州武尊山が見えました。
皇海山鋸から武尊山 武尊山へズームイン。2022年3月26日に川場スキー場から雪山研修で登った時は吹雪がひどくて先に進めず、滑落停止訓練だけでも精いっぱいで撤退した事が思い出されます。
皇海山から六林班峠へ この鋸山の分岐から南へ下る六林班峠の遥か向こうに赤城山や富士山まで見えました。
皇海山下山は女山の笹薮 峠の手前の女山付近までは背の高さを越える笹薮を掻き分けて進みます。樺の高い位置に付けられた道標板は本当にありがたいです。
皇海山下山は六林班峠の樺平 峠からは、鋸尾根の下部南面を巻くルートを東へ庚申山荘を目指して戻ります。何度もせせらぎや沢を渡る長い道程ですが、シロヤシオツツジや樺平の新緑がハルゼミの響きと共に疲れた身体に沁みていきます。
 【メモ】
足尾銅山は江戸幕府直轄鉱山として栄えたものが明治38年古河鉱業の経営となり1973年の閉山まで日本の発展を支えてきました。小滝坑のあった銀山平付近には鉱山住宅跡が山林の間にひっそりとひな段の様に残っていました。一方、日本で最初の公害と云われる足尾鉱害事件は、製錬所から出る亜硫酸ガスによる煙害で松木川沿いの山林枯れや坑道を支えるのに使用する坑木の乱伐による土砂流出で渡良瀬川に有害物質が流れ込む事で流域農作物や住民に被害が及び深刻な社会問題となりました。渡良瀬遊水地等の沈殿池や治水、山林復旧事業は約100年前から現在も続けられています。ここ備前楯山地下深くでの熱水鉱脈は、渓流の岩の下にかくれた鰍のように見えた事から「かじか」と呼ばれていたそうです。
 【行程概要】
6/ 2(金) あきる野IC 24:30⇒
 / 3(土) 本庄児玉IC⇒銀山平国民宿舎かじか荘登山者用駐車場 3:30(仮眠)
  [P] 8:20→一ノ鳥居 9:30→11:00庚申山荘11:20→お山巡りの分岐12:10
  →13:30ツル岩付近13:45→山荘14:35→天下見晴15:05→山荘15:35
 / 4(日) 山荘 3:30→庚申山 4:30→鋸山 6:30→皇海山 7:50→鋸山 9:20
  →六林班峠10:25→12:30山荘12:50→15:00駐車場15:20⇒水沼駅温泉センター
  (入浴600円2023年7月末~休業中)18:30⇒本庄児玉IC⇒高尾山IC20:30
 【費用概算】
・レンタカー 12,300円(片道150km,4時間)・高速料金 あきる野~本庄児玉(ETC深夜)1,640円 本庄児玉~高尾山(ETC休日)2,430円・ガソリン代 5,000円 交通費計21,370円÷3人≒7,200円 ・庚申山荘素泊まり 2,080円

尾白川渓谷 鞍掛沢 2022年9月10~11日


 往く夏を惜しみ沢中にテント1泊にて、尾白川渓谷の中流域で分岐している鞍掛沢へ沢登りを楽しんできました。 6:30に駐車場を出て日向山登山口の矢立石へ直接登り車道を西へ辿っていくと日向八丁尾根から降りてくる道の分岐に錦滝があり、そこの東屋で一休み。やがて荒れた車道は何回か隧道を抜けて歩くこと9時にやっと終点。そこから100mほど既設ロープ伝いに急下降して尾白川に入渓。本流を進むとすぐの女夫滝の大淵が見たこともない深緑色で神秘的。ここは右岸をロープ出して越えると、北西方向に分岐する鞍掛沢の出合が右手から現れ遡行を開始する。  washi)記




鞍掛沢に入ってすぐの小滝の釜は入浴剤を溶かした様な色で、みんな童心に戻って清流と戯れます。




標高1450mで幕営適地を見つけ14時頃から岩を除けてしっかり整地する。テントは3張りで楽しい夕食が始まった。夜半には中秋の名月がせせらぎを照らしていました。




翌朝はゆっくり8時半に出発。白い花崗岩の沢床を思うがままに遡行していきます。




ここは堰堤のような大岩から滝しぶきが流れ落ち、滝の裏にも回り込めます。八丁尾根上の烏帽子岳へ突き上げる鞍掛沢の本流は長く困難なので、途中の枝沢から鞍掛山の鞍部へ向かいました。




この鞍掛山は甲斐駒ヶ岳北面の展望台ですが、あいにく甲斐駒山頂が雲に覆われていてよく見えませんでした。




おなじみの日向山から見た八ヶ岳にも雲がかかっています。ここの白砂はまるで夏の浜辺にいるようです。 次の夏も訪れることを山に挨拶して下山しました。




【参加者】鷲林)係、藤沢、井之下、他2
【行程概要】
9/ 9(金) 京王八王子駅23:00⇒高尾山IC⇒須玉IC⇒甲斐駒ヶ岳登山者用駐車場(仮眠)
9/10(土) 駐車場 6:30→矢立石付近林道日向山登山口→錦滝 8:30→林道終点 9:00→
    尾白川入渓 9:30→鞍掛沢出合11:30→1450mテント適地17:00泊
9/11(日) 泊地 8:30→うら見滝 9:30→鞍掛山への北面小沢10:30→鞍部12:10→鞍掛山
    13:00→鞍部13:45→尾根分岐14:00→日向山15:10→駐車場17:00⇒京王八王子駅20:20
【概算費用】
レンタカー12000円,高速3960円,ガソリン5000円,合計20960円/2人の場合=10480円

飯豊山 川入ルート2022年6月25~26日




 梅雨の最中ですが、日の長いこの時季にヒメサユリに会えるのを期待して一泊二日という弾丸登山で東北の飯豊山に行って来ました。 雨だったら行ける所まで行ってから引返し、観光して帰る覚悟でしたが・・・ 前夜Aさんの車で出発。磐梯山SAで3時間程仮眠のち時折小雨の中をキャンプ場に到着。広い駐車場には我ら含めて2台だけなのは雨を心配した為か? ところが歩き始めると上空の雲の流れが速くやがて陽が差してきました。 前線を伴った低気圧が北に押し上げられ太平洋高気圧からの南東風が吹き上げた山頂は山行中ずっと雲に覆われてましたが、そのまま関東地方では 27日に異例の梅雨明けとなり、その後猛暑日が続くのでした。           washi)記

0.喜多方市山都町川入ルート
福島県喜多方市山都町御沢キャンプ場からの川入ルート
1.峰秀水 南側から横峰へ登る長坂はブユが多く虫除けスプレーも効かない。(ハッカ油は割と有効かも)うちわで扇ぎながら樹林帯を登ると地蔵山南面の巻き道にある峰秀水に出る。ひと時の涼が気持ち良い。
2.地蔵山分岐 地蔵山から西へ延びる三国岳への尾根に出る分岐地点。ここでも地蔵山西面に残る雪田を源とする湧水が出ていました。冬の降雪量が多かったので今年の残雪は多いようです。
3.七森から種蒔山東面 画像の奥は三国岳を登ってから北へ進んだ”七森”から東へ派生する小尾根です。今登っている三国岳への稜線では太平洋高気圧からの南風が強く吹き上げ、強烈な日差しの中でも割と快適に登れました。
4.剣ヶ峰から三国山へ この剣ヶ峰の稜線は飯豊山と共に御神体との事です。ストックで突きながら登るのはご法度と云われました。雨で岩が濡れていたら滑って登れないと思って来たので晴天で助かりました。
5.剣ヶ峰からの稜線先に三国小屋振返る 七森の尾根を種蒔山へ進む途中に、三国岳山頂に建つ三国小屋を振返って見る。よく登って来たものです。
6.白根葵 シラネアオイの紫色が眼に優しい。
7.三国山から種蒔山へ 今を盛りとヒメサユリが咲き誇ります。
8.種蒔山の北ピーク東面残雪困難 種蒔山を過ぎて直ぐに現れる東面の雪渓は夏道を覆い隠していて道を失う。稜線通しだと深い笹ヤブなので突入をあきらめ、雪田の端まで戻って深くえぐられた雪渓の中を進んだのですが雪壁に阻まれました。前爪が無い簡易アイゼンだったので思いっきり蹴り込むキックステップで雪壁をトラバースする事になり、メンバーに怖い思いをさせてしまいました。本来なら笹ヤブの20mほど先に見えていた赤旗を目指して藪に分け入れば良かったのでした。リーダー猛反省です。
9.切合小屋 展望の効かないガスの中を切合小屋へ到着。シーズン前なので管理人さんは居ない。今晩は小屋全体の半分に当たる10畳位の避難小屋スペースに2階の先客が1名と1階に泊まった我らの5人だけ。水は大日杉登山口方面まで20分ほど下ると北面の雪田から登山道へ流れる雪解け水が豊富に出ていて助かりました。
10.飯豊山 翌日の朝4時半に小屋を出て飯豊山を往復します。相変わらず風が強く本山は雲の中でした。
11.チングルマ もやっとした気持ちのまま下山します。雨降りでないのが幸いです。
12.本山神社 今朝通過して来た本山小屋と飯豊山神社に戻りました。この小屋には初日に駐車場から先に出発した単独の方が前夜ここまで来て泊まっていたそうです。健脚ぶりに感心しました。
13.姥権現 帰り道の姥権現から草履塚へ戻る途中、なだらかな尾根にはお花畑が広がっています。奥には登って来た飯豊本山小屋が雲に覆われて見えません。
14.種蒔山からの下り 切合小屋に戻り朝食してから元来た道を帰ります。種蒔山からの下りにもこの様な岩場があります。
15.三国岳から草履塚振返る 三国岳山頂に建つ三国小屋もまだ管理人さんは不在で避難小屋として開放されています。奥には雲に隠れた草履塚方面が見えるはずです。
16.地藏山へ間違って登る 地蔵山下の分岐で横峰へ向かう右手方向の巻き道をうっかり通り越してしまい西面の雪田を直進したら地蔵山まで登ってしまいました。左側奥には三国小屋、右側奥に見えるピークは種蒔山と思われます。
17.地蔵山の血の池から旧道下降

地蔵山の血の池から横峰へ降る旧道を下降する事にしました。沢状で歩かれていないので藪が道に覆いかぶさり大変でした。長坂の尾根にやっと出た箇所には倒れて見る影もない道標が残っていました。この2時間後に登山口へ降りて、車で350km走り、八王子に23時半過ぎにやっと帰り着きました。お疲れ様でした。

【行程概要】
6/24(金) 京王八王子駅21:40⇒圏央道,東北道,磐越道,磐梯山SA仮眠26時
6/25(土) SA仮眠4:50⇒磐越河東IC⇒山都町相川,川入,御沢登山口駐車場6:20~7:15→横峰9:50→峰秀水10:15→地蔵山下分岐10:30→三国岳12:20~13:00→種蒔山14:30(東面雪渓道迷い)15:40復帰→切合小屋16:00
6/26(日) 泊地4:20→草履塚5:00→本山小屋6:30→飯豊山6:45→本山小屋7:05~7:15→姥権現8:05→切合小屋9:15~9:55→種蒔山10:25→三国岳12:00~12:20→地蔵山下分岐13:35→地蔵山13:50→横峰14:45→御沢登山口駐車場16:30~17:00⇒いいでの湯17:10~18:00⇒磐越河東IC⇒京王八王子駅23:40

【概算費用】
往復700km×35=24500円,高速5260+5900=11160円,諸経費1840円,合計37500円 /5人=7500円

新穂高温泉から水晶岳 往復 2022年4月29日~5月5日




2018年の春山スキー以来washiにはGW時季7回めの双六岳を、頼りになるAさんと2名でテント6泊して来ました。 今年の冬は積雪が多く春になっても山間部の激しい雨のため釜トンネルから上高地への道で崖崩れがあり関係者の方々の突貫作業の末、GW初日にバスが通える様になり本当に助かりました。 washi 記

0.水晶から立山を臨む
↑水晶岳2986mから北面の立山方面を臨む 2022年5月3日
1.大ノマ乗越

春の北高南低の気圧配置に加え太平洋南岸の前線上に発達した低気圧が北上した入山初日4/29は、晴れていたが秩父沢をワカン装着して大ノマ乗越に登る頃にミゾレとなり、上部の雪面が三日月型にパックリと割れた脇を除けながら乗越を直上し、濡れて寒い中テントを設営して夜間の風雪をやり過ごしました。

 

2.環水平アークと雷鳥 4/30は快晴。テント撤収してると昨日途中でビバークしたという2人パーティと朝の挨拶を交わす。双六小屋周辺は昨日の荒天の為か静か。双六岳への登り途中に雷鳥に遭遇。見上げた空に彩雲の様な環水平アークが掛かっていました。
3.双六の滑走路 滑走路とも称される双六岳東面の尾根は凍結融解作用によるなだらかな周氷河地形と云われています。
4.三俣蓮華から 三俣蓮華岳から見た鷲羽岳方面。高気圧のおかげで順調に三俣山荘付近まで進める事が出来てテントを設営しました。
5.三俣山荘 5/1は、日本海側と太平洋上の低気圧に縦に覆われて一日中降雪となり停滞。明けた5/2は、一面フカフカの新雪に覆われ鷲羽岳も白い雪山に戻っていました。
6.ワリモ岳 鷲羽岳を越える頃から”疑似好天”も終わり一転して風雪が強まる。今夜は2780mの平坦な窪地の東側湯俣川に落ちる斜面の上で西風がいくらか凌げる雪の切れ目にテントを設営しました。
8.水晶小屋を振返る 5/3朝になっても西風は強いままですが水晶岳を覆っていた雲が剥がれ出したのでテントを後に登頂開始。水晶小屋は東側の山カゲに頼もしく建っています。
7.頂上

停滞日はあったものの天気に恵まれて春山積雪期の水晶岳に9時に登頂できました。黒部源流雲ノ平からの西風が強く吹く斜面は雪が着かない程です。

9.高天原 水晶の北峰からは高天ケ原が見下ろせました。赤牛岳へ行くならもっと早く朝の3時頃に窪地を出ないととても無理です。
10.水晶の難所雪壁 この水晶岳南側稜線の難所を往復しました。雪壁なのでアイゼンを蹴り込みながら慎重に登り降りしました。
11.参考,水晶の岩場 【参考】無雪期のこの難所にはハシゴがあります。
12.窪地 窪地のテントに午前中に戻れましたが、西風によりWの右手指が凍傷気味となったので、その日のうちに三俣山荘へ戻る事は断念し、ここでもう一泊します。夜は再び風雪に悩まされました。
13.双六岳に戻った 5/4は南岸の高気圧により晴天。双六岳山頂から雪解け早い春山を振り返ります。今夜は双六小屋の幕営場にテント泊。寝袋を干す時間もありのんびり過ごす。連休後半の好天のせいか、10張程度と賑やかでした。
14.ワサビ平 5/5下山日のワサビ平小屋。渓流に陽光がまぶしく跳ねていました。 春の目まぐるしい天気のため長期山行となり夫々靴擦れや凍傷で大変でした。でも、たおやかでありながらも奥深い静かな山を訪ねる事が出来てAさんには大感謝です。


【行程概要】
 4/28(木) 都庁地下駐車場 23:00発(登山バス毎日あるぺん号)⇒       
 4/29(祝) 新穂高温泉ロープウェイ口 6:20→ワサビ平 8:45→秩父沢出合 11:00
     →大ノマ乗越,テント泊 15:15
 4/30(土) 泊地 8:20→弓折岳 9:00→双六小屋 10:30~11:15→双六岳 13:25~ :45
     →三俣蓮華岳 15:50→三俣山荘前,テント泊 17:00
 5/ 1(日) 停滞
 5/ 2(月) 泊地 8:00→鷲羽岳 10:30~11:10→岩苔乗越を過ぎた2780m平坦窪地に
     テント泊 14:00
 5/ 3(祝) 泊地 7:00→水晶岳 9:00~ :30→テント泊地 14:00
 5/ 4(祝) 泊地 7:50→鷲羽岳 10:00→三俣山荘 11:15→三俣蓮華岳 12:25→双六岳
     14:30→双六小屋,テント泊 15:15
5/ 5(祝) 泊地 8:00→大ノマ乗越 10:00→秩父沢出合 11:00~ :15→ワサビ平
     12:00~ :15→新穂高温泉ロープウェイ口 13:20,13:50⇒平湯温泉
     バスターミナル(入浴,夕食) 高速バス 18:05⇒中央道日野バス停 22:15
【経費概算】 一人当たり交通費
 登山バス(新宿都庁発,上高地経由新穂高温泉行き) 9,500円
 路線バス(新穂高温泉ロープウエイ口発,平湯温泉) 910円
 高速バス(平湯温泉BT発,中央道日野バス停) 5,200円  小計 15,610円



毛無山・竜ヶ岳(西湖テント泊’22年1月9~10日)

西湖を前に北面の富士西湖と足和田山の向こうに北面 甲州側 冬晴れの富士

 新型コロナ感染症が一見落ち着いたかのような12月に、山話会が一年半くらい久しぶりに再開され、山行計画がぼちぼち出る中、女子だけでキャンプする魅惑的な計画がリーダーの横坂さんから提案された。
メンバーは、横坂リーダー、三島サブリーダー、和唐さん、山下正さん、山崎さん、青野さん、高橋さん、三村さん、中村さんとmjの10名。

mj 記

 1日目は、西湖キャンプ場でそれぞれのカラフルなマイテントを皆で手際よく設営してから毛無山(1500m)に出発!

三島さんを先頭に。雪があったりなかったり、時折、氷柱や松の葉の絨毯と飽きる事ないルート。
毛無山への登り  ミネ山を越え、振返ると富士山が!
すれ違う人は1人という静かな山は2時間で登頂。山頂の先客は1名。雲が無い真っ白な富士山と向き合う形でソーシャルディスタンスを守りのんびり昼食。
毛無山薪拾い  テントに戻る途中、薪となる枯れ枝を拾いながら下山するとかなりの量に!
火おこし、夕食の準備と横坂さんのアドバイスで順調にみんなの胃袋は満たされ、日暮れをゆっくり堪能しながら焚き火を囲む。先輩方のお話に耳を傾けていると、いい頃合いに薪も無くなり、21時前に就寝の充実した1日目を終えた。
本栖湖から竜ヶ岳へ

 翌朝2日目は早めの就寝のおかげでまだ暗い中、起床。日の出が気持ちいい。テキパキと朝食後テントを畳み、バンガローの掃除撤収。 西湖を後にし竜ヶ岳登山口がある本栖湖へ。
登山口まで雪道もかなりあり、チェーンスパイク持参の徹底が飛ぶ。

頂きへ  登山口から50分ほどのベンチから南は富士山、北は雪を被った八ヶ岳と南アルプスがくっきりと見える。ここからはチェーンスパイクを装着。やがて泥々の道を慎重に登ると竜ヶ岳全貌が見えてきた。熊笹で穏やかそうだがチェーンスパイクに付く泥の重みで足の運びが鈍くなる。だが先輩にコツを教わりなぎ倒された熊笹を踏みながら順調に登頂できた。
竜ヶ岳  風が時折あり段々と身体が冷えてくるのでサクッとめいめいカップ麺を食する。 サブリーダーの三島さんが雨ヶ岳と富士山にかかる雲からこの後の天候を読み、速やかに慎重に下山開始。
泥々になった靴とチェーンスパイクをススキの茎を使って湖で洗うというナイスアイデアに感動。その後、温泉でさっぱり。
今回の計画、実践、きめ細やかなフォローをして下さったリーダー横坂さんに一同感謝の挨拶をして、車4台に別れ帰路につく。悪名高き中央道の渋滞も奇跡的になく、貴重な体験をした2日間でした。